書評 すべての仕事はクリエイティブディレクションである
タイトルからしてそうだけれど、なんと断定の多いこと!
職業柄、解釈の違いが起こらないようにしているのでしょう。
課題とは○○である。アイデアとは○○である。全体的にキリッとした文体です。
こんな人が就職の面接官だったら鍛えられるだろうな。
君の夢ってなに?つまり何がしたいの?その本質はなに?
ひゃーこわっ。でも楽しそう。ふふ。
著者、吉川さんの使う日本語は少し難しいです。
・「チームメンバーの人生のいくばくかを無駄にすることになる」(P36)
人生を少し無駄にしてしまうと書けばいいのに、あえて「いくばく」って言っちゃうところ。
・「その時、論理は意外なほどクリエイティブ・ディレクターに冷たい」(P106)
論理は冷たい…日常ではあまり使わない表現。まるで英文を日本語訳したような一文。
そして極めつけはこれ!
・「歴史的コンテキストの中で、鮮やかに新しさを言語化できた時に、はじめて小切手を切るのである」
うわお、パッと見、意味不明。
あれ、なんだか、ちょいちょい村上春樹っぽいな。
そう思っていたら、
文中に村上春樹出てきたー!ほらやっぱり!好きなんじゃん!
じゃあ、ブラームスの四番のシンフォニーを分かっちゃうのかしら。
パンケーキにコーラかけちゃうのかしら。そんな妄想が膨らみました。
個人的には、ケーススタディのくだりが楽しかったです。
九州新幹線のCMは大好きで、初めて見た時涙が出たほど。
あのCMの裏側を教えてもらえて満足です。素敵なCM作ってくれてありがとう。