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転勤族妻はじめました

故郷の福岡に帰りたいと思いつつ、東京、大阪で働き、血迷って転勤族の夫と結婚し、今は石川に住んでいます。だけど意外と楽しいかも!

柔道家・古賀稔彦の心揺さぶる70分

金沢

先週、情報フェアという催しが金沢で行われました。

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テリー伊藤や作曲家、ソフトボール金メダリストなどの著名人による講演、お昼にはランチタイムコンサートが開かれ、すべて無料で楽しめる豪華なイベントです。主催は一企業なので取引先が招かれるのですが、太っ腹にも一般人も参加OK!地域住民にも喜ばれています。

 

そんな情報フェア、テリー伊藤の講演会が一番人気で超満員でしたが、私が面白かったのは柔道家の古賀稔彦さん(http://kogatoshihiko.jp/)でした。 あれは一種のエンターテイメント。70分をフルに使って笑ったり涙したりと感情を揺さぶり、最後は会場全体で五訓を唱和する一体感…!この人、よう知らんけど話めっちゃおもろいやんけ!一般的にノリが悪いと言われる(講演でも質問が全く出ない)金沢の人をここまで動かす講演を、私は初めて見ました。私もプレゼンをすることがあるので、備忘録として流れを書いておこうと思います。ポイントは「共感」です。

 

<序盤>

・メダルを取った時の感動シーンをDVD放映

・自分の恥ずかしい話(ここでは女装)をして親しみやすさをアピール

・観客に質問をなげかける。ノリのよさそうなおばちゃんを指さして「そこのお嬢さん、どうですか」。おばちゃんはそれだけで笑う。その後も簡単な質問を近くの人にする。

「野球の有名人といえば?」「○○」 「お父さん、年代がばれちゃいますね(笑)」

「そして、柔道の有名人と言えば?」「古賀」 「お母さん、せめて『さん』付けしてください!笑」

観客の答えに時々ツッコミを入れます。それで会場はずいぶん温まりました。ツッコミのバリエーション、いくつか用意しているんだろうな。

 

<中盤>

・「挑戦しよう」

・「夢を変えたいなら、その夢と同じだけの努力をしよう」

・恩返しの力(仲間、親、誰かの為に頑張ると更に頑張れる)

 

同じくスポーツ著名人として、馬渕智子さんも翌日講演をしていましたが、観客の反応は少なめで質問も無し。同じく感動的なエピソードを盛り込んでいたし、古賀さんよりも具体的な話(プラスの言葉で終わろう/苦しくなったら、最後に勝つのはうちらだと言い聞かせる/NO.1になったらやる時のポーズを普段からやる)をしていたのだけれど反応が少なかったのは、「共感」が少なかったのではないかと考えます。観客の多くは40~60代。スポーツネタだけでは、自分たちに関わりのないことと思われてしまいます。もう少し掘り下げて、これを日常でどう使えるかを話せばよかった。子供が試合で負けた時の接し方とか、仕事での営業成績が振るわなくなった時のモチベーションの保ち方とか。その点古賀さんは分かりやすい。彼が述べていた一つにこんな言葉がありました。

「やる前に自分の頭で出す答えと、実際にやってから得られる答えは違う。」

もちろん柔道に関連した話をするのですが、最初に観客席に向かって問いかけます。

「皆さん、こんなこと思ったことないですか。私こんなのできないから。この子はスポーツ下手だから。そう決めつけていませんか?」

この一言で、観客は自分にも当てはまる話だと感じます。前の席のおばあちゃんは大いに頷いていました。そうして話のクライマックスに感動ネタを入れます。

「五輪で負けた時、親が会場で何をしたかと思いますか。頭を下げていたんです。観客席に向かって深々と頭を下げ、皆に詫びていたんです。そのときに気付いた。戦っていたのは自分だけじゃなかった。そうしてこう思った。親にこんな思いはさせたくない」

家族愛というのは誰もが好きな鉄板ネタ。会場には涙を流すおばあちゃんも見られ、見事に観客の心をつかんでいました。

 

<終盤>

・柔道は技だけではなく生き方を教えるもの。当たり前のことを当たり前にできる人になって欲しいという想いから、道場を作り子供たちに教えている。

 

そして最後に、会場全体で柔道の五訓を唱えます。

聞くだけじゃなくて、観客も言葉を発する(五感を使う)ことで、講演会をより記憶に残る内容に仕上げています。素晴らしい講演でした。こんな風に私も話せるようになりたいな。