『モモ -時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にとりかえしてくれた女の子の不思議な物語』 感想
雑誌で紹介されたから試しに読んでみたら衝撃を受けた。
これが1970年代に書かれた本だなんて信じられない。
だって、これは、今でも起こっている問題だから。
物語の主人公モモは、人の話を聞いてあげることで、不思議と周りを幸せな気持ちにさせてくれる少女。彼女がいると、子供たちも創造的な遊びを発案し、おもちゃがなくたって面白い遊びができるし、喧嘩してても仲直りができる。だがそんなモモの日常を奪う、時間どろうぼう達が現れる。彼らの思惑にはまり、忙しさにかまけて余裕を失う人であふれる世の中と立ち向かうモモの姿がとっても素敵!
印象に残っている言葉は、「時間とは意識」ということ。
「人間には時間を感じ取るための心というものがある。そして、もしその心が時間を感じとらないようなときには、その時間はないもおなじだ」
効率化を求めるのは悪いことではないが、
朝食を味わって食べるとか、
大切な人と語らう時間を持つとか、
そういうちょっとしたことは忘れないようにしよう。そう思える本でした。
モモ―時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にかえしてくれた女の子のふしぎな物語 (岩波少年少女の本 37)
- 作者: ミヒャエル・エンデ,Michael Ende,大島かおり
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1976/09/24
- メディア: 単行本
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